VOLA - 50年を超えた佇まい

デンマークで1873年に創業し、1955年に水栓金具の専門会社となったVOLA社。デンマーク国立銀行のためにアルネ・ヤコブセンがデザインした混合水栓を1968年に「VOLAシリーズ」として発表し、50年を迎えました。

この「VOLAシリーズ」は、どの水栓金物も円筒の本体とハンドルと吐水口、とても明快で単純な立体で構成されています。シンプルなデザインですが、角がなく曲線で構成されているため、同じくアルネ・ヤコブセンがデザインしたAJランプにも見られる、どこか優しさを感じるデザインです。この時代を超えたデザインは、50年を超えた今なお受け継がれ、自動水栓やオーバーヘッドシャワーなどバリエーションを広げ進化しています。

水栓金物を選ぶ時に、機能や大きさ、シンクに適応しているのかなど、選定していくと幾つかの水栓金物に絞られてきます。その中で選ぶことも間違いではありませんが、この佇まいと50年のデザインの存在感に敬意を払いながら、VOLAの水栓金物を中心に水回りをデザインすることも一考だと思います。
アクセサリーを際立たせるような洋服選びをするのと似ているかもしれません。

たかが水栓金物、しかし空間にはとても重要なアイテムなのです。

Designer : Arne Jacobsen 1968 VOLA Denmark