Y-Chair – 知性を持つ椅子

足の細いフレームタイプの椅子は、強度が弱く数年したらガタガタしてくるのではないか? とお思いではないでしょうか。

フレームタイプの椅子の場合、フレームの剛性が弱いとある角度では軋んだりするものですが、このY-Chairワイチェア)には軋みはなく、とても軽いのに大柄な人の体重を十分にかけられる頑丈さを持った椅子です。実際に力学が解る人はこの高い剛性のフレームデザインには衝撃を覚えると言います。
脚、背もたれ、シート部分、チェアを構成している部材は極限まで細く加工されていますが、それでいて身体にとても優しく接してくれます。これはデザイナーの知性とそれを作る人々の技術が生んだマスターピースであることに間違いはありません。

デザインも軽快でクレバーなフォルムなので、持ち主までクレバーに見えるような有難い椅子であったりもします。身体を崩して座っても絵になるから不思議です。

この椅子には現在様々な仕上がされていますが、写真のソープフィニッシュという仕上がY-Chairらしくお勧めです。数年間・数十年間と使い込んだアーム部分を撫でながら悦にいっている北欧の人々のように、長く愛し続ける椅子になると思います。

Designer : Hans J. Wegner 1949 CARL HANSEN & SON Denmark